【S2】ポケモン剣盾ダブル「マホイップ+カビゴン」(中間273位)
お初にお目にかかります、野兎と申します。
今回は、剣盾シーズン2のダブルバトルにおける"マホイップ"というポケモンの特徴と、実際の使用パーティについてお話しさせていただきます。
1、「マホイップ」とは?
マホイップ
タイプ…フェアリー
♀のみ
特性…スイートベール、夢アロマベール
種族値65-60-75-110-121-64
実数(140-85-90-130-141-84)
C110、D121という数字が印象的で、また比較的鈍足ながらも特性により状態異常を封じるという即効性の高い特徴を持っております。
しかしながらこのポケモン、他のポケモンにはない、極めて優秀かつ有名な"専用技"があります。
それは「デコレーション」。
まもる等を貫通するこの技は、使用した相手の攻撃、特攻をそれぞれ2段階上げるというサポート特化の技です。
これによりマホイップは耐久のみにガッツリ振り分けていながらも、味方アタッカーの威力を倍加させることで、パーティのパワーを補うだけでなく、飛躍的に伸ばして相手の受けを崩壊させることが可能になります。
2、マホイップを使った構築
"デコレーション"と世界一相性の良いダイマックス技、"ダイジェット"を軸にしたパーティがシーズン1では見かけられました。
ジェット役は、「ギャラドス」「トゲキッス」「ウォーグル」などが挙げられます。
これらのポケモンはS種族値が80付近であり、S種族値64のマホイップでは上からデコレーションをかける事が困難なため、あえてS調整を施したり、マホイップにスカーフを巻かせたりと工夫を凝らしたパーティが生まれました。
マホイップの調整例として、ずぶとい性格で、
140-×-132-0-0-236
実数値(158-×-123-130-141-114)というものがあります。
これはA172珠ドラパルトダイホロウを確定耐えし、Sは準速バンギラス抜きという扱いやすい配分で「野兎マホ」と呼ばれ、世界で筆者のみがそう僭称しています。
技はムーンフォースを使えない代わりに、シングルバトルで見られる「とける」「じこさいせい」「めいそう」などの優秀な要塞技、
「マジカルフレイム」「エナジーボール」などの刺さりやすい技をC110から放てる技範囲を持ちます。
ダブルバトルにおいて「デコレーション」を用いた型にするのは既定路線ではありますが、他の技も侮れません。
3、シーズン1における最大の課題+弱点
たしかにデコレーションによる突破力こそ魅力的ではありましたが、これには致命的な欠陥がありました。
それは、【成功しづらい】というサポーターにとって致命的すぎるものでした。
例えば、"このゆびとまれ"は優先度+2であり邪魔されにくい上に場への影響が極めて高い技、
"トリックルーム"は一度発動してしまえば、5ターンの間フィールド全体を影響下に置くことができるリターンが豊富なアドの塊です。
反して"デコレーション"は、優先度などもないただの変化技でしかなく、
発動前に普通に殴られて味方が倒れればターンを無駄にしてしまい、
「ふくろだたきコンボ」同様に"このゆびとまれ"に吸われることもしばしば。
一度撃つだけでトリックルームのように戦況が豹変する技でもないため、無駄に選出の頭数を減らすくらいならニンフィアなどを採用した方が良いのではという始末に。
4、シーズン2におけるマホイップ
いくら調べ回ってもマホイップの検索結果は黎明期と変わりのないものばかりであったため、ここからは1/21現在273位の自分のパーティ構築の話をさせていただきます。
新年を迎え、剣盾ランクマッチは2回目のシーズンを迎えました。
それに伴い、環境にも変化が。
トップメタ筆頭であるドリュウズ、バンギラスに圧倒的に強い「ローブシン」が台頭。
バンドリの相方は同じく採用率トップのドラパルト、トゲキッスが挙げられますが、
ローブシンと共に増え続ける「インテレオン」「バイバニラ」の前に苦戦を強いられるようになりました。
また、「リザードン」構築、「
サマヨール」「ドサイドン」等のトリックルーム構築も未だ健在であり、
頭のポンコツな私は、
"いっそこいつらまとめて倒したいなあ"
と単純すぎる考えに至りました。
しかしその為には凄まじい火力、耐久力が必要。この正解は、お花畑で幸せな頭を持つ自分にしか辿り着けないと思い試行錯誤を繰り返した結果、
「マホイップ」+「カビゴン」+対面構築
という、こ◯まろカレーにホイップをぶちまけるが如き並びを生み出しました。
私はじゃがいもカレーが好きです。
カビゴン @命の珠
ゆうかん
AB252 D4
(235-178-117-×-131-31)
自爆、タネ爆弾、馬鹿力、岩雪崩
マホイップ @リリバの実
スイートベール
ずぶとい
HB252 C4
(172-×-139-131-141-84)
マジカルシャイン、デコレーション、溶ける、自己再生
この2匹の並びは耐久に優れるだけでなく、
上記の全てに対して強大な圧力をかける事が可能です。
腹太鼓をせず、初ターンからダイマックス。
A+2一致150ダイアタックを連発する命の珠カビゴンの凄まじさは使い手側が困惑するほどです。
95ダイナックルの積み性能、そして130ソウゲン+130ロックの仮想敵については解説は不要でしょう。
長いターン居座れることから、ダイナックル、デコレーションによりカビゴンは更に凶暴化。
眠り粉、あくび、催眠術といった姑息な抵抗はマホイップのスイートベールに阻まれ全て無効化。
敵の特殊を殲滅さえできれば、後はとける+自己再生マホイップが試合を終わらせる。
この2匹でトリル、あられ、晴れといった構築に回答を持てるようになり喜ぶのは、
バンドリパルト+エルフーンの4匹でした。
すなおこし
いじっぱり
AS252、B4
(175-204-131-×-120-113)
岩雪崩、かみくだく、馬鹿力、ロックブラスト
A…270-71バタフリーをロックブラスト2弾で124%〜
場面を選ばない汎用性の塊。苦手な対ローブシンにおいては取り巻きを撃破し、マホイップに最後を託す役割。
交代際にデコレーションを上手く入れれば、雪崩でウインディ等を一撃で持っていける。
ドリュウズ @弱点保険
すなかき
ようき
AS252、B4
(181-187-86-×-85-154)
天候エース。オーロンゲから全てを奪うのが使命というべき技構成。
10万馬力よりも地震を優先したのは、弱点保険やデコレーションによる、戦いの全責務を負う際に単騎無双ができるようにしたため。
ドラパルト @突撃チョッキ
ひかえめ
H28、C252、S228
(167-×-95-167-95-190)
流星群、10万ボルト、シャドーボール、大文字
S…最速インテレオン抜き
H…余り(194ギャラドスのダイジェットに対し少し安定する)
バンドリやマホイップがいることで活性化を果たした特殊型クリアボディドラパルト。
ロトムなどを吹き飛ばすのに向いており、デコレーションがかかれば技範囲を駆使して暴れまわる。
マホイップでは詰め辛い鋼タイプを焼けるのは利点。
エルフーン @脱出ボタン
おくびょう
H60、B196、S252
(143-×-130-97-95-184)
ムーンフォース、追い風、甘える、すりかえ
S…最速
H…16n-1、167ドラパルト火炎放射確定耐え
HB…甘える込みで205ドリュウズダイスチル耐え+余り振り切り
マホイップがバフの天才なら、エルフーンはデバフのスペシャリスト。
甘える、すりかえは敵の戦略を根底から壊滅させる。
初手で甘えられたローブシンが下がるしかなくなり、結果マホイップ詰めが尋常でなく決まる。
苦手を克服したことで、元々高いポテンシャルの4匹はさらに飛躍。
特に"あまえる"、"脱出ボタン+すりかえ"を所持するエルフーンの活躍はめざましく、
バトルが進むにつれ弱まっていく相手に対してこちらは戦力をキープしながら戦う事が可能となりました。
脱出ボタンすりかえの実用性は最高です。試しにセキタンザンを狙いましょう。お腹がよじれて死にそうになれます。
また、この6匹はギミックが豊富であり
・ダイマックスドラパルト+珠自爆カビゴンによる"役割集中最終形態"
・甘えるエルフーン+弱保ドリュウズによる"ミラーでも安心な弱保発動"
など、便利な攻め方を使い手に用意してくれます。
こうして可能性の翼を存分に広げることができたのも、マホイップとカビゴンという2匹が安定した勝ち筋として環境に刺さったことが大きいと実感しています。
よって僭越ながら、シーズン2のマホイップを表すと
「拡大するローブシン及び催眠へのメタとした"要塞型"が最も適している」です。
鈍重なカビゴンを一瞬でバケモノに変えることで太鼓や鈍いを意識した敵を壊滅させ、バンドリパルトでスイープ。
この流れは非常に安定しており崩し辛いため、お薦めできます。
しかし、世界には私などより遥かに実用的なマホイップ構築を練り上げる方が大勢おられます。その方々の構築や動きを学ぶことで、今後もマホイップというポケモンの才能を存分に引き出して参りたいと思います。
どれだけ心が折れそうになろうとも何通りものマホイップでデータを取り続け、ついにこの構築を組み上げることができました。
マホイップ使いが増えることを祈り、拙筆ながらも投稿させていただきました。
お読みいただき、本当にありがとうございました。